先日、たまたま自宅のそばで開催されていた古書籍市を覗きました。
そこには、いろいろな物が売られていました。ほとんどが小説のようなので、他には図鑑や古地図、映画パンフレット、そして絵はがきなども売っていました。かなり古い物から最近出版された物まで多岐にわたります。
やっぱり古本でも、すぐに建築関係の本や美術資料的な物を狙います。写真が印刷されたものや建築関係の理論本って意外と高価なので、掘り出し物があればラッキーなんです。他のおっちゃんたちに負けじとギラギラと目を光らせていたら、一角に「建築」という文字が目に入りました。その手書きの文字は、絵はがきを分類している仕切りに書いてあり、その仕切りの間には100枚以上の透明のビニルの袋に入った絵はがきがぎっしりと詰め込まれていました。
僕は、その箱に入れられた束をレコード盤を選ぶように、ぱたぱたと一枚一枚丹念にめくっていきました。その中から程度の良い好みの物をいくつか選びました。
中には、戦後に建てられたであろう、アメリカを模倣した洋風建物のモノクロ写真などがありましたが、あまり興味をそそられませんでした。
最初に気に入った絵はがきは、「TIMES BUILDING.42ND STREET AND BROADWAY.NEW YORK CITY」と書いてありました。
古ぼけた色合いと、多色刷りの精度の悪さ。雰囲気があって格好いい鮮やかな絵はがきです。
裏には当時投函されたであろう文章が書いてあります。達筆すぎて読めません。
ひとまず、この格好いいNYタイムズビルの絵はがきをカゴに入れました。
その後も探し進んでいくうちに、同じような色合い、印刷具合の絵はがきを見つけました。
裏の筆跡も同じです。アメリカから送られた絵はがきのようです。
合計で3枚見つけることが出来ました。
ひとつは、「THE BLACKSTONE CHICAGO」と書いてあり、
もう一つは、「BOWLING GREEN.NEW YORK CITY」と書いてあります。
なんだか不思議な気分になって、3枚とも手に入れました。
スタンプのひとつには「1918」と押してあります。
本当に90年も前の物なのかどうか不明ですが、もしそうなら約1世紀も前の手紙3通が僕の手元にきたことになります。
ただ古いだけでなく、その絵はがきには思いが込められています。90年前の気持ちが書かれていると思うと、なんだかすこし哀しくて嬉しい、不思議な気分です。
それも1918年に渡米した日本人が送ったものなんて、すごい空想が膨らむじゃないですか。
なんだか楽しくなってきます。ワクワクします。
<プライバシーの為に名前は消しました。消したつもりです。>
<誰か読めますか?哀しい内容でなければいいのですが。>
僕はメールもよく使いますが、はがきで連絡したりすることも好きでした。
鈍重で慎重な感じがいいなぁと思ってましたが、今回のこの件で改めて思いました。
手紙っていいもんですね。
週末にでも家族に手紙を書こうと思います。
そして時間が空いたら、この90年前に誰かがアメリカから送ったはがきについて調べてみようと思います。
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現時点では90年前のものかどうか確証はないですが、1913年までNYタイムズの本社ビルが建っていたようです。移転した建物を記念に絵はがきにした可能性はあると思います。
当時1918年のBOWLING GREENがこの風景だったのか、THE BLACKSTONE HOTELもこんな感じだったのか調べてみたい。
(古い風景を絵はがきにすることはよくあると思います。極端に言えば浮世絵だって絵はがきになる。しかし、1918年にそのビルが無かったり公園の風景が違っているものを絵はがきにできようもない。それについて調べてみたいな。ダメなら関西ローカル探偵番組の探偵ナイトスクープに投稿します。出演するのはイヤだなぁ。)
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そうそう、絵はがきを手に入れる前に、紀伊国屋で買った磯崎新の書籍の中に、NYのブロードウェイの事など書かれていて、なんというか、意識の外で繋がると嬉しいですね。
別々の時代の本や、別々の思いで読んだり見たりしたものが繋がるとなんだか少し頭の中の霧が晴れるような気持ちです。
今は、「全く前が見えなくもない」心境です。
てか、9.11やん。今日。
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